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災害復旧における住民請願に関するメモ

今回の熊本地震災害復旧活動に関わってみて、その復旧におけるスピードアップに有効だという手段の一つに、住民による請願活動が上げられます。

熊本地震に関しては、被害箇所が広範囲に渡っているので、それ自体を認識して重要度を判断する作業自体が思うように進んでいません。そこで、住民が主体となって、それら状況を報告して請願書などを行政側に上げることでプライオリティーが変わる可能性が高いのです。

そういった被災情報と要望を、苦情ではなく請願書として、写真なども添え、ちゃんと文書化するという事ができれば行政の皆さんも必ず対応してくれるはずです。

1.住民請願に関して

住民請願について調べてみた結果意外な事実がわかりました。通常自治体への請願は議員の方の署名を添えて、その自治体の議会に提出することになっています。このため、協力していただける議員の方が居ない場合は請願自体が出来ず、法的拘束力のない陳情しか出来ません。

----以下議会への請願と陳情の違いを引用----

☆ 請  願

 請願とは、国民に認められた憲法上(第16条)の権利の一つで、国または地方公共団体の機関に対して意見や希望を述べることを言い、その手続等は請願法によります。 また、地方議会に対する請願は、地方自治法及び各議会の会議規則に規定がされており、提出には紹介議員を必要とします。 提出された請願は、所管常任委員会に審査を付託し、その審査の結果を本会議に報告し、議会としての採択、不採択の決定をします。 採択した請願は、市長その他の執行機関に送付するに当たって、議会から処理の経過及び結果の報告を請求することができ、議会、執行機関双方に実現への努力が要請されます。

☆ 陳  情

 陳情とは、請願と同じような性格を持ったもので、様式も請願書に準じるものですが、紹介議員を必要としないという違いがあり、また、請願ほど明確な法律上の規定がないため、各議会において取り扱いが異なる場合があります。 伊東市議会に提出された陳情は、持参によるものは議会運営委員会での協議によって、請願に準じた取り扱いをするか、議員に参考配付とするか決定し、郵送によるものは基本的には参考配付とすることとしています。

-------------- 引用はここまで 引用元:http://www.city.ito.shizuoka.jp/gikai/html/hpg000001811.html ---------------

 

 

と、ここまでは、一般的なコンセンサスがとれている部分ですが、重要なのは請願の提出先は自治体の議会等に限定されているのではないという部分です。ところが、この事実を知っている行政担当者も少なく、それらの権利は、ほとんど行使されることがない状態なのです。

それでは、請願法の条文を見てみましょう。

2.請願法の条文

第1条 請願については、別に法律の定める場合を除いては、この法律の定めるところによる。
第2条 請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合は居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。
第3条 請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。
第2項 請願の事項を所管する官公署が明らかでないときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。
第4条 請願が誤つて前条に規定する官公署以外の官公署に提出されたときは、その官公署は、請願者に正当な官公署を指示し、又は正当な官公署にその請願書を送付しなければならない。
第5条 この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。
第6条 何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇を受けない。
附則 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。

ここで明らかなのは、「請願の事項を所管する官公署」という書き方ですね。それが議会であるとは書いてない訳です。つまり問題を所管している官公署つまりは、行政の担当部署に対しても請願を行うことが可能です。

3.つまり

日本に住んでいる住民であれば日本人以外であっても、行政の担当所管に対して直接請願書を提出し、受理した官公署は誠実に処理する義務があるということです。

「誠実に処理」という部分が不明確ですが、それでも一定の拘束力を持った要望が出来るということですね。

更に詳しくは下記ページを御覧ください。

 

紙屋研究所

 

 4.請願書の書き方について

請願書に関してその内容に関しての規定など法的根拠は見つかりませんでしたが、この点は提出先によってある程度取り決めがあるかもしれません。

それでは参考になる項目名を列記してみましょう。

--------- 以下引用 ---------

 

  1. 件名
  2. 要旨
  3. 理由
  4. 提出年月日
  5. 提出先官公署名
  6. 請願・陳情者の氏名(法人の場合はその名称)
  7. 請願・陳情者の住所(住所がない場合は居所)
  8. 請願・陳情者が複数の場合は、代表者の氏名と住所を署名押印し、署名簿を添付
  9. 参考資料(必要に応じて、案内図、見取り図、公図の写し等を添付)
  10. 議会に提出する請願書には、1名以上の紹介議員の署名又は記名押印が必要。陳情書には必要ありません。なお、内容が、基本的人権を否定するもの、個人の秘密を暴露するもの、司法権の独立を侵害するもの等は受理されないでしょう。
  11. 用紙サイズ・書き方
    提出先で特に指定していなければ、用紙はA4縦とし、書き方は横書きとするのが良いでしょう。あえて縦書きにする必要はありません。

 

------------ 引用はここまで 引用元:行政書士ワタナベ事務所 ---------- 

これらの内容を添えて提出すれば良いということになります。

元来これらの書類作成は、行政書士の皆さんにお願いする事が基本となりますが、行政書士でなければ書類作成が出来ないというものではありません。ただ、もし協力いただける様な行政書士の方がおいででしたらスムーズに作業も出来るでしょう。

 5.請願書のサンプル(雛形)

seigan-s.png

上記をクリックするとWORD書類がダウンロードできます。

試しに実際使われた書類を元に雛形を作ってみました。あくまでもサンプルですので、状況に合わせて書き直して下さい。重要なのはこういった簡易な書面であっても有効だと言うことです。(もちろん、項目等における不備などによって必ず受理されるとは言えません)

この請願書とともに、場所の地図、写真等の情報などを添えて提出すれば受理していただける可能性は高いでしょう。

ただ、提出先をどこにすべきなのか?その他提出先によっては、この請願の権利についての不勉強などから受理されないなどのトラブルが発生するかも知れません。

しかし、それらにめげること無く専門家などの意見を参考にしながら私たち自身が持っている権利を行使することができれば、様々な問題に関して解決する糸口を見つけられるかも知れません。

提出先の窓口に関しても、いきなり書類を持ち込むのではなく、事前に相談をしたほうがいいでしょう。

それら相談を行った時点で、対応が始まり解決してしまったと言うような事例もあると聞いています。

まずは対話、そして専門家への相談、そして実行というのがいいかもしれませんね。

 

 6.請願の法的効力について

 

請願を受け取った役所側としての対応はどうなるのでしょう。

例えば、「川に流木が浮いていてそれを撤去して欲しい」と言った内容の請願を出したとします。

それですぐに、今すぐ流木を撤去してもらえるというほどの強制力はありません。

これは権利の種類として、手続き上の権利と実体上の権利というものがあり、請願法で定められているのは前者の「手続き上の権利」なのです。

請願することで、それに対して相手はそれに対して応答し、どう対処するのか報告するなどの義務を負います。つまり、その内容に関して、たらい回しにしたり、無視するというような状況になれば法律違反である可能性が高いということになります。

こういったことを、申請者と受理する側双方が理解した上で処理できればいいですね。

 

 7.確実に請願を行うために

今回の住民請願は国民に平等に与えられた権利ですので行政書士などの有資格者でなくても、可能なわけですが、できれば行政書士の方に相談されて住民の代理として請願を行えれば効率もいいでしょう。

ここで、これら業務が行政書士業務として成り立つのか?といった疑問が湧いてきましたので少し調べてみました。

その結果、住民請願に関して、その代行も行政書士業務としての範疇であるという結論に達しました。

----------------- 以下引用 ------------------------

 「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務

行政書士は、「権利義務に関する書類」について、その作成(「代理人」としての作成を含む)及び相談を業としています。
「権利義務に関する書類」とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類をいいます。
「権利義務に関する書類」のうち、主なものとしては、遺産分割協議書、各種契約書(贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇傭、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解)、念書、示談書、協議書、内容証明、告訴状、告発状、嘆願書、請願書、陳情書、上申書、始末書、定款等があります。

------------- 引用ここまで(引用元:日本行政書士連合会

この場合、住民の代理として行政書士は動きます。そのために委任状が必要になります。このあたりの手続きはそれぞれ行政書士の方にご確認ください。

 

参考サイト

 

 PS.上記の内容に関しては、ネットからの情報と、専門家の方にお聞きしながらまとめたものでであり、また、筆者自身はこれら事案に関しての専門家ではありません。このため、内容に関しての質問等にお答えする事は出来ません。

ご理解の程よろしくお願いいたします。

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